文月のキサラギ
テレビ(ときどき映画たまにお芝居)斜め読み By 高橋晶
映画「キサラギ」。
これは面白いぞ。大当たりです。
このテのワンシチュエーションドラマというか、密室劇みたいなもの(12人の怒れる男とか優しい日本人とか?)は、元来好きなほうなんですけど、これも非常にいい出来の部類に入る。
いや、内容的にはそれほど奇抜じゃないのかもしれない。あるD級アイドルが自殺して、その一周忌に5人のファンが集まって追悼するという話。登場人物はこの5人だけ。アイドルの如月ミキちゃんの顔も最後まで明かされない。
最初は、5人が初めて会う段取りも比較的ありきたりで、セリフもぎくしゃくして、大丈夫か?ずっとこんなか?と疑ったけど、だんだんノッてきて、最後はもう…(感)。結末は言えないけど、数々の伏線がたたみかけるように明らかにされて…(><)。それで、ああ、あの前段のぎくしゃくも狙いだったんだと気づくわけ。
佐藤祐市、この監督あんまり知らないんだけど、まぁー、役者を煽る煽る。ノセ方が抜群にうまい。テレビの人らしい。本人が一番ウケてるんだね、だから役者たちもすごく楽しそうだ。実際、アップした後も5人で毎週のように集まってるらしい。一人のアイドルをめぐる男たち。何か役柄と別のシンパシーが生まれるのかしら。とにかく、どんどん関係性が濃密になっていくわけだから。
小栗くん、小出くん、ユースケ、塚地、香川さん、まあ、キャストもうまくハマったもんだ。とくに小栗くん、狂言回し役というか、いい位置につけている。こいつ絶対コメディいける。皆、頑張ってほしい。
最後にアイドル役の子の顔もしっかり出て(本物のアキバ系の声優らしい)、このネタバレも、この映画に関しては許します。
いやぁ、笑ったな。得しました。