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u子の山陰便り 皆生温泉のすてきな宿−松月−
u子の山陰便り 皆生温泉のすてきな宿−松月−
▲u子の山陰便り
2006年9月号

 
 山陰はいいところです、と毎月メールに書いていますが、泊まるところのお勧めはないの?ときかれました。そういえば28号も発信しているのに、食べ物と面白い話で泊まることについては「どうぞ我が家に」等といい加減なことを言っていましたね。

 山陰は温泉の宝庫ですが、米子では奥座敷といわれる皆生温泉があります。“かいけ”と読み、亡くなった人の魂がこの海岸に流れつき生まれ変わると伝承され、みんな幸福に生きようよ、という意味で命名されたと聞いています。1900年に漁師さんが偶然海の中から温泉が湧き出ていることを発見して温泉街へと発展した歴史を持ちます。

 JR米子駅から2キロくらい、米子美保空港から6キロくらいです。温泉質は「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」で温泉につかってなめてみれば「塩っからい」のがわかります。源泉が海の中ですから、当初はこの温泉水は海水だと思われていましたが、調査の結果、海水よりカルシウム分が多いとのこと。皮膚のあれ易いお子さんの肌が皆生温泉に入ってすっかりよくなったという話ももれ聞きます。特に女性に嬉しいことにお肌がきれいになることは頷けます。冬場は体がぽかぽかと温まりリフレッシュにもってこいです。温泉に入った人はみんな幸せということを実証しています。

 この温泉街の旅館は40軒ほどあります。その中でお勧めは部屋数20室ほどの「海色・湯の宿」という定冠詞がついている旅館・松月(しょうげつ)です。駐車場から少しの階段をあがって玄関に入るとお香のかおりを感じます。その雰囲気と香りで非日常の世界に自然に誘なわれます。次にいらっしゃいませ、というほどよい声が聞こえます。大声で言われればかえってこちらがひいてしまうし、ささやき声ではせっかく入ったけれど間違えてしまったの?といぶかしくなりますからちょうどよい声音ほどむずかしいものはありません。でもこの松月の挨拶はたおやかで優しい。ああ宿に無事到着した・・・という安心感を得られます。もちろん部屋に通されてからチェックアウトまで担当してくださる仲居さんの応対も気が利いていて穏やか。

 なぜこのように心地よい対応があるのかなと思ったら松月の女将さんは3代目でご自分の目の届く規模のおもてなしをする旅館を目指して心配りに余念がないと伺いました。どんなビジネスにもいえることですが、事業の立ち上がりのときは張り切っているから“できる”ことが時間の経過とともに薄れてしまいがち・・・でも、この松月はどの季節に泊まってもどんな時間帯にチェックインしても、接してくださるスタッフの皆さんの様子に変わりはありませんでした。女性に人気の好きな浴衣を選べること、露天風呂つき客室、エステなどサービスは充実しています。そしてネットを賢く活用して集客している繁盛店でもあり、接客の原点を踏まえIT技術を駆使しているという大変魅力的な和風旅館です。

 旅館に泊まることの大きな楽しみは料理とアルコール。出される創作料理は板さんの気合の入った見るも鮮やかな美味しい品が並び、頂ける地酒は千代むすび。辛口・少し甘口が用意されています。思わず箸がすすみ、いい気分になることは今さら書いても・・です。

 温泉に泊まることの楽しみの一つが朝風呂。最上階の展望露天風呂に入り、まずオーシャンビューとしゃれて目の前の日本海をながめ、首をまげてマウントビューで大山を見ることができます。“絶景かな”といわなくても絶景、生きててよかった、これが皆生温泉の醍醐味・・・と一人で悦にいってます。(^o^)(詳細は下記アドレスで〜〜)

 99年の鳥取県西伯地震のときに家が崩壊し入浴できない被災者の方々に女将さんの決断で「どうぞ松月のお風呂で疲れを癒してください」とすぐに無料開放を申し出て喜ばれたとか・・・「温泉はどんどん湧いてくるものですから」と平気な顔して語る旅館の常務の言葉も感動的でした。
 やがて紅葉のシーズン、海の幸もますます美味しくなります。皆生温泉−松月−、訪ねてみてください。


http://www.shogetsu.co.jp/(旅館について)
http://www.itc.or.jp/about/casestudy/management/management17.html(経営について)

掲載者u子
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