u子の山陰便り 外食は温泉付き施設で
2007年3月号
8人家族の我が家での喜びのひとつが皆元気でいるということ。
姑は舅の介護に明け暮れ、舅は姑が食事を運び世話をしてくれるものと一人決めしています。反対に一番小さい2歳5か月の孫娘、パズルをしているかと思えば、習った歌を繰りかえしてみたり、かと思えば、折込広告をまるめてセロテープで形にして冷蔵庫に貼り付け誰にもはがさないように言いまわったり・・・お嫁さんの疲労度はいやがうえにも上がります。
少々疲れ気味の姑とお嫁さんの休養には食事の支度や後片付けがない外食が一番だと皆で外食しようということになりました。
さてどこでご飯を食べるか・・・気に入った店の予約をするのがいいのですが、我が家の誰もが「気に入る」というのが結構条件がある、と気づきました。
外食すれば当然食事の買い物や支度、片付けはいらないけれど、お店の中ではねまわる子供達に気を使うのは息子夫婦の悩み。ついつい長時間になって帰ってからお風呂に入れるのも大変。せっかくの夕食なのに帰宅の車の運転でアルコールが飲めないのでは主人も息子も不満。さりとて親戚に行く時いつも運転手をする私に頼むのも気が引けるらしい。というわけで思いついたのが近くの保養施設で温泉に入り食事をし、帰途はその施設のバスで送ってもらうという方法。
安来市は3つの温泉付保養施設を持っているので早速出かけて行き富田山荘に夕食をお願いしました。富田山荘は戦国時代「われに艱難辛苦を与え給え」と月に祈った山中鹿之助で有名な城跡近くの山の上に天守閣を復元し観光施設にした所です。湯は鉱泉でかけ流し。温泉から出るとお肌すべすべの人気の温泉です。(http://www.e-gassan.jp)
観光シーズンではない今の時期、施設側にとっては大歓迎の客だったようです。
職場からそれぞれ6時30分までに集合。山荘の玄関には「ご一行様」と看板が掲げられちょっといい感じ。
孫娘は通された大きな部屋で固まり、大浴場に連れて行ったら固まり度がもっとupし、いつものおしゃべりが消え、おにいちゃんは露天フロで泳ぎご満悦でした。
ジュースにビールだ、熱燗だ、冷酒だとお好みの飲み物と料理を頂き、気分は最高潮のところでだいぶ環境になれた子供達が、床の間に上がって歌い始めました。床には春の新緑の軸がかかっていましたが、誰もそれは見ないで、おどけた二人を見つめ大笑いです。いったい床の間って何のためにあるのでしょう?という感じでした。
一曲歌うごとに「何点?」と採点を求められ、姑が、歌詞を間違えたから80点、声が小さかったから85点と採点。教職を勤め上げた人の評価に酔っ払い気味の私も思わず心の中で「この採点はぶれない!」と舌を巻き、一番聞いていなければいけないはずの息子夫婦は歌も採点も忘れて二人してなにやら楽しそうに喋っていて、主人は何度も「大きくなったな」とこれも酔っ払いの習性で同じセリフばかり。
帰り道、30人は乗れるバスに我が家の人だけ乗り、旅行に来たみたい??気分を味わいつつ帰宅しました。