u子の山陰便り 東郷温泉
年末からずっと私には一日中気ままに過ごした休日がありませんでした。
センター試験を受けたわけでもないし、家族は元気で入院騒ぎもなかったのだが・・・原因を思い出せても疲れを倍増させるだけなので考えるのを辞めました。
休みがほしいな、と思っていると耳に入ってくるのは、どこそこに行ったとか、誰々とあって美味しいものを食べたとかという楽しそうな話ばかり。
極め付きはとても親しくしているM氏の話し。
「朝、お天気がよいからゴルフに行こうと誘われて行ってきました。これが定年退職後の楽しみですよ」でした。
ここまでくると、60年も前の「欲しがりません、勝つまでは」なんて、u子さんの辞書に全くないと気が付きます。
そうよ、休日にすればいいの、戦いで勝とうとしているわけではない、私は東京の仕事を50歳定年と決めて終結させたのだからとわけのわからないことを思いつきました。
さて、どう休み、どう楽しむ?と聞かれれば、そりゃ、一も二もなく、「温泉・部屋食・和風旅館」という三拍子揃ったスペックです。
宿の事前予約をすればキャンセルに追い込まれるので“今日はどうやら大丈夫”という日を休みと定め、宿を探すことにします。
幸い、安来や米子は海側なら皆生温泉と松江宍道湖温泉、西なら玉造温泉、東なら三朝、山側なら湯原か奥津、もっと足を伸ばせば東西にたくさん温泉はあるけれどそこはぐっと押さえ・・・チカバ。
宿探しはもちろんネット。
当日13時30分までなら本日の宿はとれます。
そして今回は東郷温泉に宿をとりました。
「温泉・部屋食・和風旅館」の条件に露天風呂をつけて検索してok。
米子から50キロ。1時間弱のドライブで到着します。
休日は非日常ですから、車もエンジンの大きいものに乗り(ガソリンをいっぱい使ってごめんなさい)、私は和服に着替えて出かけます。
東郷温泉は東郷池という池のほとりにあります。
昔は伯州東郷湖と呼ばれ、山陰一美しい湖とも賞賛されたとか。
湖というほど大きくなくやはり「池」ですが、春には湖畔に花菖蒲の花がたくさん咲く名所でしじみも養殖されていていますが、松江宍道湖とは違った風情です。
倉吉に続く山々も近くに見え、訪ねた日は山も雪化粧しており、「冬の旅」(思いついて午後3時に出て4時前には旅館のヘヤでお茶を飲んでいたのに、ですが(^o^))の情緒にあふれた感じでした。
池を望める露天風呂、透明な湯の温泉は穏やかな泉質。
買い物も料理もお風呂の掃除もフトンの上げ下げもないことをいいことに、ずらり並んだ和食と地酒で正体不明になったときは勿論何時だかまったく覚えがありません。
日本人は働きすぎ、ウサギ小屋に住んで・・・と欧米から非難ゴウゴウだったのはずい分昔のこと、確か、この非難のおかげで休日をとることに罪悪感がなくなり親の代より私達の世代は遊べました。
この遊びをするきっかけになったM氏に今度会ったら「平日の朝きめてゴルフに行かれたことを伺って私も平日“温泉・部屋食・和風旅館”を満喫してきましたョ、おかげさまで」とお礼が言えそうです。
10時にチェックアウト、車で出発したとたん、オフィスの電話は携帯電話に転送していますから鳴り始めます。
戻って洋服に着替えたときはいつものビジネスモードでした。
この次の「温泉・部屋食・和風旅館」はいつなのか、ですか?
出雲の神様にお願い!!しております。
ホントはクライアントに聞きたい!!