絲原記念館の場所は島根県の奥出雲、国道142号線と314号線が交差し、宍道から備後落合まで走るJR木次線の出雲三成駅が至近駅です。このルートは鉄道ファンなら知っておられるスイッチバック式の線路(おろちループ)をトロッコ列車が紅葉時期に走り、松本清張の『砂の器』の舞台になったそろばん作りの亀嵩(かめだけ)があります。 ということは大変ローカルな山の中のお屋敷と言えます。 15,010平方メートルの広さで、3つの展示室を持つ記念館と庭園・居宅とに分かれています。 記念館の第一展示室は「たたら製鉄コーナー」、第二展示室は「美術工芸品コーナー」、第三展示室は「茶道具・松江の殿様をもてなすための食器類」が収められています。たたら製鉄コーナーはたたら製鉄のプロセスが立体模型で作られていて理解できます。現在のように建屋がある工場と違い作業環境は良好とは言えません。人手が中心で体力勝負の場面が多々みられます。
絲原家は“鉄師頭取”と言われた家ですが、そのマネジメント力やリーダーシップが問われたことがよくわかります。
|