最初に花回廊を訪れたのはいつだったろう。 確か99年の夏の始め・・羽田空港で鳥取の気温は30度になるとわかって長袖ばかりスーツケースに入れていたので慌ててブルーのカットソーを買ったことが思い出される。 あの時の花回廊はだだっぴろくて、暑くて、メインのドームが光っていたこと。 そしてユリの香りが印象的だった。 まさか10年後に近くに住むようになるなど思いも及ばなかった。
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2009年4月19日は花回廊の10歳の誕生日。 植えられた花が「10」の文字を表していた。ケーキもあった。 山陰に来てから何度もこの回廊は歩いた。 丘あり、池あり、谷ありの地形に季節の花が整然と植えられ、建物でいえば2階以上の高さにつくられた円形の屋根付き廊下から、この様子を見ることができる。 この廊下は木製で花の庭園とよくマッチしている。 幅も広く、車イスでもゆったりとすれ違うことができるし、よちよち歩きの子供でも怪我の心配がない。 全天候型の施設だから思いついた時にやってくるのに細かい心配もない。 回廊の全長1キロ。
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ちょんぼしいい話は、米子市内のホテルで出会って初めてのデートは花回廊というカップルゴールインする確率が高いとか・・・ 一周目でお互いの家族や友人の話をして2周目で今の仕事や趣味の話、3周目で次のデートの約束という段取り? なのかもしれない。 けれども、55歳を過ぎたオバアサンは、「人生は甘くない、花の命が短いようにお互いに美しい時期はそれほどないのだ!」とぶつぶつ言いたくなる。
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この花回廊、総面積50ヘクタール。 先代の鳥取県知事がただ見学だけではなく情報の受発信ができ、新しい雇用も生みだすことを目的に新しい観光施設を作る構想をたてた。 ユリの花がメインフラワーになっているが、その新種作りや育成方法の情報を発信し、オランダと提携してチューリップの球根の交換をしている。 雇用ももちろん創出したが、ボランティアスタッフも充実した。 連休には姑を伴いでかけたが、歩くのが今一つという彼女には園内を20分くらいで一周するフラワートレインに一緒に乗った。
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高速道路、どこまで走っても1000円の政策にのって中国地方はもちろん、四国や関西からの車も目立っていた。 聞くところによると地元の人は年間会員になって夕方の散歩コースにする人、植木屋さんも趣味で花作りをする人もフラワー教室などで意見交換をしているという。 自分で歩いて=動いて、「綺麗」を見つけられ、写真を撮ったり、絵を描いたり、おなかがすいたらバーベキューもできるし、ついでに美味しい地ビールにもありつける。 もちろん昼寝もよしだ。 だから手ぶらできても、安心です。
じゃ、絶対に必要な持ちものは・・・というと「花に感動する心」です!
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